【猫の穴】黒い太陽って要約するとラクーンシティって事ですよね?【デネブ】 2020-03-31 01:08 美吉屋

シャワールームの床で、とある女性が目を覚ます。

頭部にダメージでも受けたのか、しきりに頭を押さえては首を振っている。

おぼつかない足取りで何とかローブを羽織りリビングに出ると、シェルフに置かれた写真立てに目を奪われている。中に写っているのはこの女性とその夫のようだが、見つめる眼差しには困惑の色が見える。



女性が外に出ようとすると同時に、唐突に脳内に文字が現れる。

 

《招集令発動 『タフタル丘』地域》

 

訳も分からず目の前のボタンをタップすると、どこからともなく白馬が現れ女性を薄暗い地下へと連れ去ってしまった。




「おい、遅いぞ!何をしていたんだ!」

「…隊長、こいつちょっと様子が変ですよ?」

隊長と呼ばれる大きな体躯の男が女性をまじまじと見つめる。

「一時的に記憶が失われているのか…。ガスを吸わされたな。

いいか、現状を説明するからよく聞け。我々はアンブレラ社からの依頼を受けてこの地域の危険生物の駆除に駆り出された【ギルド:猫の穴】というチームだ。ただ、中で何かしらのトラブルがあったらしい。門番であるお前がガスで一時的に機能停止させられていたのもそのせいだ」

そう言って男は足元に群がる危険生物を、手持ちの武器でいとも簡単に薙ぎ払う。

 

「我々は【総勢:44名】でこの地域に来るよう要請された。何人かは別の入り口から既に侵入していて現在連絡待ちだ」

 

そこへ仲間からのものとみられるメッセージが入る。

 

「こちら順調に狩りを進めています。…ん?なんだ?急に赤い人影のようなモノが…。...! うわぁぁ、なんだコイツは、やめろ!やめろぉぉぉ!」

 

「どうした?!何があった?返答しろ!」

各々呼びかけるが反応がない。

「…まさか危険生物にやられたんじゃ...」

「馬鹿を言うな、危険生物と言えど我々の戦闘力に遥か及ばないモブどもだ。それに我々には【攻撃+5、防御+3】というギルドバフが付いてるんだぞ!しかも【釣り経験値獲得+1%】まであるんだ!」

 

「とりあえずメンバーの救出のため、反応があった場所に行きませんか?」

「そうだな…。よし、全員馬に乗れ。移動するぞ」



数名が乗馬し、移動し始めたその直後、後ろから猛スピードで追いかけてくる影が見える。

「な、なんだアレは?あ、赤い!赤い人影が追いかけてきます!!」

「おい、もの凄いスピードだぞ?!逃げろ!とりあえず逃げろ!馬に乗ったまま出口まで逃げ切るんだ!」

「痛っ!膝に矢を受けましたっ」

「何?!攻撃してくるのか。ひるまず逃げろ!出口さえ抜ければ何とかなる!」



猛スピードと言えど、馬に追いつけるほどではなく、メンバーは次々に出口に滑り込み脱出できる。

 

「…。何だったんでしょうか、アレは...。ものすごい勢いで追いかけて来て」

「分からん。アンブレラ社からは何の報告も受けていないが...。ん?1人足りないぞ?!おい、どこ行った?!」

 

メンバーに緊張が走ると同時に悲痛な叫びが聞こえる。

「うわぁぁ!出られない!何で?!出られないよぉぉぉ!」

「なんだと?!おい、どうなってる?出口を管理しているメインコンピューターのAIに聞いてみてくれっ!」

「了解。レッド・クイーン!仲間が1人出られないんだ!なぜ扉を開けてくれないんだ!」

 

すると少女型のホログラムが現れ告げる。

『彼は攻撃を受けてしまったので感染が無いか確認するために体をスキャンしているの。スキャンが終わったら扉を開けるわ』

 

「感染だと?何だそれは、そんな事聞いていないぞ!今すぐに扉を開けろ!!」

『ダメよ。感染している人間を扉の外に出すわけにはいかないの。スキャンは1分で終わるわ』

 

「ちくしょう!おい、なんとか持ちこたえろ!あと30秒、29秒、...」

「うわぁぁ!無理です!もうすぐ赤いヤツが来ます!もうダメだぁぁぁ」

「早く終わらせて!レッド・クイーン!」

「お願いだ!早く!早く終わらせてくれ!」

「来たぁぁ!ヤツが!赤いヤツがぁぁ!!あああぁぁぁぁぁ」



悲鳴と共に生体反応の青いマークがマップ上から消えた。



「なんてこった…。あの赤いヤツは何なんだ。なぜ襲ってくるんだ…」



「このまま撤収しますか?」

「…いや、アンブレラ社からは危険生物1万駆除で報酬が貰える契約をしている。なんとか1万超えないと死んだ仲間も浮かばれん」

「了解。とりあえずみんなで固まって動きましょう。みんなで四方を張っていれば被害は最小限で食い止められるはずよ」



「よし、じゃあもう一度入るぞ!気を抜くなよ!」








「うわぁぁ??!囲まれている!待ち伏せしてやがったな!」

「何てこと!赤いヤツらが何体もいるわっ!!」

「な、何だと??4発撃ってもビクともしないだと?!」



「ちっくしょう!これを月・金でやれだと?!うぉぉぉ、やってやろうじゃねえかぁぁぁ!!!」















ネタ元は映画の方です。ゲームは実はよく知らないです。

唯一プレイした事のあるバイオハザードは操作が分からず、なぜかすぐに足元ばっかり視点が向いてた・・・。ゾンビ見せてくれよ。

気が付いたら広大な大地を車で走って逃げていて、遠くの方にいる何か良く見えないモノを機関銃的なモノをブッパしてた・・・。いや、だからゾンビ見せてくれよ。

(ФωФ^) ( *⌒)

美吉屋

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コメント 5
なゆた 2020-04-02 00:05
傑作です!
2020-04-02 00:05
美吉屋 2020-04-02 21:52
いつもありがとうございます。
是非とも黒い太陽が登っている時に「早くドアを開けてくれレッド・クイーン!」と叫んでください。すると若干脱出が早くなる気がしないでもないでもないです。
2020-04-02 21:52
しゆうさー 2020-04-02 15:54
3月の優勝です
次回作も期待します超大作ありがとうございますww
2020-04-02 15:54
美吉屋 2020-04-02 21:54
まさか月間MVP戴けるなんて!
この喜びをアイデアを出してくれたギルメンさんや、応援してくれた人達に一番に伝えたいです!
2020-04-02 21:54
すだちんは遊びたい 2020-04-21 10:55
仕事中にもかかわらず入り込んでしまった…次回作期待します!
2020-04-21 10:55
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