【猫の穴】ひとつ、人の世の生き血を啜り 2020-06-11 22:00 美吉屋

     【注意:ドン引きの意味の無い長文なので読まずに引き返すなら今ですよ!】

 

  

むかしむかし、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。

ある日、おばあさんは川に洗濯に、おじいさんは海に魚釣りに出かけました。

 

「おい、ばあさんや。海でこれを拾ったんじゃが、ちょいと見とくれ」

「どうしたんじゃ、急に怖い顔をして。何じゃこれは、ずいぶん変わった履物じゃね。...おや?これはどこかで見たことがあるねぇ。ああ、そうじゃ。これはあの島に住む連中が履いていた履物じゃないか」

 

おじいさん達が住む村は海と山に挟まれた小さな漁村でした。

村から漁場が近いため、多くが漁師として暮らしていましたが、冬には海が荒れて漁ができない事が多く、陸地は山がすぐ迫っていて農地がわずかしか取れないため、人びとは常に貧しい暮らしをしていました。

それでも狭い土地になんとか農地を確保して田畑を作るため、人が住める土地はわずかばかりとなり、そこに村人がひしめき合って住んでいることから、この村は通称【猫の穴】と呼ばれていました。

村人はわずか【44名】でしたが、お互いが家族のように協力しあって暮らしていました。

 

村の対岸には小さな島がありました。その島はずっと無人島でしたが、数年前に遠くから来た人びとが住むようになったのです。

 

「去年の暮れ、照美庵の町に正月の餅を買いに行った時に奴らを見たねぇ。とんでもなく図体が大きうて、目が合うと笑顔を向けてくるんじゃが話しとる言葉が分からんし何だかおっかなかっただ。確かに珍しい履物じゃと思うけど、拾い物を売ってもたいして金にならんのじゃなかろうか」

おばあさんがそう言うと、おじいさんは険しい顔をして返しました。

「違う。履物の裏をよう見てみろ」

 

その履物はおじいさん達が使っている藁で編まれた草履とは違い、動物の皮でできているようでした。そして履物の裏には弾力のある素材が使われていて、滑り止めのためか横向きに筋がたくさん入っていました。

 

そして、おばあさんはその筋に挟まる金色に光る小さな粒を見つけました。

 

「じいさん!こ、これは金じゃないのかえ?!」

 

おじいさんは声を潜めて言いました。

「ああ...、恐らく金じゃ。あの島の連中はうちの村とは交流が無いからよう分からんが、聞いた話でも腑に落ちん事が多い。奴らの国の珍しい装飾品を作って、それを町に売って食っていると聞くが、わざわざあんな不便な島に住む意味が分からん。遠い異国から急にあの島に来たのも不自然じゃ」

 

島は切り立った岸壁が多く、海流も複雑なため村の人たちが乗るような小さな船では近付く事ができませんでした。しかし数年前に突如異国からやってきた人びとが大きな船を島に接岸し、そのまま住むようになったのです。

そして村から少し離れた所にある「照美庵」という栄えた港町と交易し、生活しているのでした。

 

「…あの島のどこかで金が採れるんじゃろう。だからわざわざ異国からやってきてあそこに住み付いた。照美庵で交易しておるのは生活に要るものだけで、照美庵から他所へ出て行き、足が付んように金を売りさばいとるんじゃなかろうか」

 

「なんじゃと?!・・・あの島はオラたちの村のすぐ目の前じゃないか。オラのおっとうも、じいさまも、この土地でずっと貧しく暮らしておったのに、あんなすぐ近くに楽に暮らせるモンが埋まっとったというのか・・・。それを余所者の奴らにまんまと掻っ攫われて。こんなのはあんまりじゃないか・・・!」

おばあさんは目を潤ませ、そして仄暗い瞳で遠くを見つめながらさらにポツリとつぶやきました。

 

「鬼じゃ...。あいつらは鬼じゃの...」






数日たったある日の夕方、日が落ちて周りが闇に包まれてから、おじいさん達の家から出ていく1つの人影がありました。

その人影は物音を立てずにずーっと西に進んでいき、その日のうちに家に帰ることはありませんでした。

 

翌朝、いつものようにおばあさんは川で洗濯をし、洗濯物を家の横で干していました。そして洗濯物の横には縄で吊った魚も干していました。

 

「よう、ばあさん。今日は干物作りかえ?」

隣の家の男が声をかけてきました。

「じいさんがな、今朝早うに魚を釣ってくれたんで早速干しとるんじゃ。じいさんは『早う起きすぎた』言うて、また寝よったわい」

隣の家の男はカラカラと笑って畑仕事に行きましたが、干してある魚が今朝釣ったような新鮮さが無い事には気が付きませんでした。



そしてその日の夜、おじいさん達の家から茶碗が割れる音が聞こえてきました。

 

また次の日、畑仕事をしているおばあさんに裏の家に住む若い女が声を掛けてきました。

「おや、ばあさん。今日は1人だか?」

草をむしる手を止めて、おばあさんが答えました。

「夕べ、じいさんと喧嘩してな。じいさんが大事な茶碗を割りよるから、『もう顔見とうない』言うて今日は山に仕事に行かしたんじゃ」

「そういやぁ、昨日は派手な音しとったな。じゃが、この時分の山仕事はキツイじゃろうて、じいさんもエライ罰を貰ったもんじゃな」

若い女は憐れむ言葉とは裏腹に、いたずら好きなの子供のような笑顔を見せて去っていきました。



その日、村はいつもと違って夜遅くに村の人たちの声ががしてきました。この村では【毎週日曜日に村の行事】がありました。

 

おばあさんは外の声に気付き、首を傾げて少し考えた後、外に出て集まっている人に聞きました。

 

「今日は【22:30~ギルドボス】の日じゃろ?まだ22時前じゃのに、みんな集まるのが早いの」

すると集まっていたうちの1人が笑いながら言いました。

「ばあさん、もうボケたのかい。ギルドボスは先週じゃったろ。今週は【22時~模擬拠点戦】の日じゃ」

 

おばあさんは一瞬で顔が真っ青になりましたが、外が暗いせいで誰も気付きませんでした。

 

「じいさんはどうした?今日はもう寝とるのか?」

別の男が聞きました。

「あぁ・・・、ちょ、ちょっと腹の調子が悪い言うて川辺に生えとる薬草を採りに行ったわい」

おばあさんの声は微かに震えていましたが、他の人たちの話し声が騒がしく、誰も気に留める人はいませんでした。

「調子悪かったら無理するでねえぞ。【村の行事は参加自由】じゃからの」



「これじゃいかん...。村の者にじいさんがおらんかった記憶が残ってしまう。模擬戦が長引けば途中参加もできるが、早々に決着が付いてしまうと参加の痕跡が残せん!」

蒸し暑い夜に、おばあさんの首筋から冷たい汗が流れていました。

 

あと少しで22時になるという時、街道から続く小道を小走りで駆けてくる人影がありました。

「おお!じいさん!薬草は見つかったか?どうじゃ?模擬拠点戦には出られそうか?」

おじいさんは少し間をおいて、全てを理解したかのように頷き「もう大丈夫じゃ。もちろん参加するだ」と返しました。

おじいさんの足や着物はそれはそれはひどく汚れていて、とても疲れた顔をしていましたが、皆がそれを確認できるくらい近付く前に自陣のバリケードの門が開いていました。




翌朝、村に突如赤ん坊の泣き声が響き渡りました。

今は村に赤ん坊などいないので、村の人たちはビックリして集まってきました。

なんと、赤ん坊を抱いているのはおばあさんでした。

 

「今朝は早うに目が覚めてな、仕方なしにいつもより早う川に行ったんじゃ。そしたら川の近くにこの赤子が捨てられておったんじゃ…」

 

「口減らしか。最近では珍しいの」

「そういや上流の村が去年の水害で、ろくすっぽ作物が採れんかったと聞いたぞ」

「まだまだ小さな赤子じゃないか。この子をどうするんじゃ」

村の人たちは口々に言いました。



「オラたち夫婦には子供がいねぇ。これは神さんがくれた贈り物だと思うてオラたちが大切に育てるだ」

 

赤ん坊は桃の刺繍の入った布に包まれていたため、桃太郎と名付けられました。




同じ頃、村から遠く離れたある村で、小さな赤ん坊が神隠しに合うという騒ぎがありましたが、この村まで遠く離れすぎていたためその噂は届いては来ませんでした。

 

 

 

 

うそみたいだろ?続くんだぜ?これで...。

字数が多かったのか1回で投稿できませんでした。すみませーん!

(ФωФ^) ( *⌒)

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