《九尾狐伝》

《狐の妹の説話》

昔々あるところに、3人の息子を持つある夫婦のもとに待望の娘が生まれました。
とても喜んだ夫婦はこの娘をとても可愛がりながら育てました。


数年後のある日、突然家族が飼っていた牛が毎晩変死するという奇妙な出来事が起きました。
そこで父は長男に、夜中に牛を見守るように命じました。


その夜、長男は牛をそばで見守っていると、
突然妹が現れ狐に化けると牛の肝を取り出して食べてしまったのです！


長男は次の日、父に昨晩の出来事を話しましたが、
信じてもらえないどころか可愛い娘を陥れようとしてると疑われ、
長男を家から追い出してしまいました。


追い出された長男はある道士のもとを訪れ、そこで修練を積みました。
数年後、家が心配になり帰ろうとする長男へ、道士は特別な三本の瓶を渡しました。


長男が家に戻ってみると家の中は静まり返り、骨が散乱し、
その中心には家族全員を食べてしまった妹だけが残っていました。
驚いた長男は逃げ出しましたが、妹はその後を追いかけてくるのです。


そこで道士から受け取った白い瓶の蓋を開けると、
中からイバラが出てきて妹に巻き付いたのです。
さらに残りの青い瓶の波と赤い瓶の火炎で妹を打ち負かすことができました。
妹は狐の妖怪の「九尾狐」だったのです。


「九尾狐」は人に化けたり、
人を魅了する力で人間を苦しめる狐の妖怪で、
他の様々な説話でも登場する妖怪として広く知られています。



「狐の妹」 以外にも
由来となった説話がありますのでこららも是非、ご確認ください！

前回までのお話はこちら！

《巫堂霊伝》


《ソンカクシ伝》